廣部剛司建築研究所

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スケッチ

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CG

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包み込む建築

 敷地は下町の非常に密集したエリアに位置している。3階建て以上の建物がびっしりと建ち並び、周囲に対しては期待の持てない条件だった。この場所にあった住宅にお住まいだったクライアントも「昼間でも照明がないと暮らせない」ということが、かなりストレスになっていると言われていた。唯一隣家との距離が取れる道路側が南方向になるため、出来ればここを開きたいところだが、道路の向こうには5階建てのマンションがあり、こちらにも大きくは開けない。そこで、細長い敷地の中央付近に上から2層をくり抜くような形で中庭を挿入することにした。
 限られた幅のなかで、中庭のスケールを決めていく作業に、実は相当の時間を費やしている。まず、中庭をつくるからには<過ごせる>スケールがどうしても欲しい。同時に、階段や通路の寸法は法規的な縛りもある。その検討は20mm動かすとアウト…というようなレベルの微調整で実施設計終盤まで続くこととなった。同時に構造的に必要な幅を削ぎ落とすために、中庭廻りの柱には120mmの無垢の鉄柱が使用されている。まるで櫓(やぐら)を組むように中庭廻りに鉄骨フレームを入れ、木造部分とのハイブリッド構造としている。結果として最小寸法で中庭廻りが構成できただけではなく、2階以上は耐力壁を外壁部分以外に入れずに、ガラスで囲まれた中庭をつくることができた。中庭をグルリと廻るように通路と階段が続く構成は、いってみれば全体を「大きな階段室」としてつくっているような感覚すら生み出す。その踊り場を大きく拡大していくことでリビングや寝室といった目的空間がつくられているとも言える。
 このエリアは「新たな防火規制区域」という指定がされている。そのため防火規制が厳しく、基本的に木造だけでなく鉄骨の部分も露出して使用することが出来ない。さらに、設計条件として性能評価の等級が指定されていたため、断熱性能など多くの要素において(すべてのガラスにLow-eペアを使用するなど)通常よりも高い条件設定がされた。それが建築の内部空間の構成において与える影響は、構造体を保護し、高断熱を求めることによって「包まれた空間」としてつくる、という条件が付与されたことだった。建築自体が持つスケールとすべてが「仕上げられる」ということから、ここでは肌理の細かい質感を求めて大理石粉を混ぜたマットなペイントを壁・天井の主たる仕上げとして採用している。ベースの色彩の他に西面の長い壁には色調が強く明度を落とした仕上げを施しているが、これは意図的に陰翳をつくることで小さな空間に心理的距離感を感じさせようとしているからである。
 ここではクライアントの希望によりヒートポンプ式のラジエーターを空調機器として採用している。中庭を挿入することで結果としてはコントロールするべき気積が少なくなり、性能評価の設定によって魔法瓶のように断熱されることもあり、これだけで冷暖房をまかなうことが想定されている。そのため、個別エアコンは設置していない。リビングにはホームシアターがインストールされており、かなり高密度な検討が家具の設計も含めて行われた。ダイニングキッチンではスペース効率を上げることとゆったりとした調理スペースを確保するためにカウンター方式を採用。小さなお店にいるような空気が生まれている。ここでは、一つ一つの行われる「こと」に対してギリギリの寸法検討がされ、それに寄り添うように造作家具などでサポートしている。余白の無さは、逆に人が感じるスケールを包み込み、全体が一つのプロダクツのような建築へと繋がっている。

(廣部剛司)


建築概要
名称  :町屋の町家
所在地 :東京都荒川区
主要用途:専用住宅
主体構造:木造・一部鉄骨造
規模  :地上3階
敷地面積: 56.96m2(17.26坪)
建築面積: 38.54m2(11.68坪)
延床面積: 107.00m2(32.42坪)
竣工  :2011年10月

構造設計:エスフォルム/大内彰
施工  :宗 建築株式会社