廣部剛司建築研究所

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田園調布の住宅地

旗竿敷地に計画された個人住宅

<和洋のはざま>をテーマに据えている

地上2階 地下1階

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玄関に足を踏み入れると

ベトナム作家の漆絵が迎えてくれる

造作家具の中に丁寧に埋め込まれた

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既存の庭木を極力残しながら計画が進められた

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スタッコ塗りの磨き壁

和紙の天井 麻の壁紙

ガラスブロックの光

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階下スペースへの階段

左の窓は露天風呂のあるテラスに面している

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1階浴室

丁寧に割り付けられたタイル

ジャクソンの浴槽

窓からは坪庭

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2階 階段・廊下

天井は和紙 間接照明になっている

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2階洗面所より

信楽焼の露天風呂が置かれたテラス

主寝室専用の水廻り

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信楽焼きの浴槽が置かれたテラス

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全開口サッシュの手前にホームシアター用のスクリーンが内蔵されている

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格子棚はリヤドロや写真のコレクションが収められている

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サロンスペースには本格的な5.1chのホームシアターが組み込まれている

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スケッチ

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スケッチ

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「家族のかたち」というのは、いつも設計をかなりの部分で決定づける。
この住宅はアメリカ人のご主人と日本人の奥様、2人のお子さんのためにつくられた。
アメリカ以外にも香港などアジア圏に暮らしてこられたこともあり、一つ提示されたキーワードがあった。
それは、「外国人が感じる日本」。
 外から見る日本のイメージには驚かされることも多い。しかし、ずっと日本に暮らす我々からは違和感を感じる要素も自然に受け入れられていることが多いのだ。たとえば、日本をイメージしてつくった曲だという音楽に中華風の旋律が混ざっていたりすることや、海外の寿司レストランで出される不思議な寿司などなど…
言ってみれば、そういうことをも包容力を持って受け入れるような空間にしたいと言うことが提示されたわけだった。それと向き合うことは自分にとっても自らのアイデンティティと向き合う作業になるのではないかと感じた。
 この家の設計は基本的なプランニングを完成するまでは、法規的な規制やコストバランスが主なパラメーターだったが、そこ(実施設計)から竣工までは別の意味で厳しい道のりだった。いままで集めてこられた美術品や手放せない置き家具、照明器具などと建築との融合点を探していくことが設計監理の難易度を上げた。例えば、アジアの芸術家から買った美しい板絵を玄関の家具扉として使いたい、ということが起こるとその寸法をプロットしながら造作家具に必要な機能を満たして設計。現場では板絵についた「そり」を絵を傷めることなく戻すところから始まり、最終的には廻りの造作家具の扉を絵と違和感のない色に合わせていく…といった具合に。融合させるべきパラメーターはその他にも本格的なホームシアターを目立たないように組み込むことや、パーティーをする時にヘルプのメイドさんが違和感なくいられるような距離感のつくり方など仔細に渡っていった。
 お風呂についての要望には逆にきわめて「日本風」に、というリクエストがついた。ご存じのように浴槽が深く、肩までつかるというのはそもそも欧米にはない習慣。どちらかというと浅い浴槽の中で体も洗って、流してしまうという流儀が多いはずだ。実はこのご要望はアメリカ人のご主人が日本風のお風呂に惚れ込んだことから出てきたものだった。結果として1階に坪庭を眺めながら入れる深い浴槽。2階の主寝室に連続した洗面・シャワーの外(テラス)には信楽焼の湯船を露天風呂として置くことになった。
 外部は樹脂系の強い素材感を持つ左官材で仕上げられているが、内部に関しては長い目で見て大きなリフレッシュが必要になる可能性を配慮して仕上げ材が決められている。深い色を持つ麻の壁材や和紙は、空間に柔らかさを提供しながらも、その部分に対応するために選ばれたものだ。そして、ある空間でのキーになる色がご主人のルーツから来るアイリッシュグリーンのガラスタイルに決まり、それにあわせて他の素材を決めていくというような隠れたストーリーもそれぞれの空間に盛り込まれている。
 意図的にデザインとして「外国人が感じる日本」を盛り込んだところも勿論あるが、この住宅の空間が生まれた最大のポイントは、やはり家族の物語だったのではないかと感じている。

(廣部剛司)



建築概要
名称  :田園調布D
所在地 :東京都大田区
主要用途:専用住宅
主体構造:木造
規模  :地下1階 地上2階
敷地面積:238.00m2(72.1坪)
建築面積: 95.18m2(28.8坪)
延床面積:204.34m2(61.9坪)
竣工  :2006年10月

構造設計:エスフォルム/大内彰
施工  :宗建築